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■   【法務コラム】相続法改正~遺産相続はどう変わる?
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ここ近年は,重要な法律の改正が続いており,昨年5月には民法(債権法)の改正法が成立したことはご存じの方も多いと思いますが,
現在,相続に関する法制度の改正が国会で審議されており,今国会中には成立する見通しとなっています。
この改正法が成立すれば,約40年ぶりに相続についてのルールが大きく変わることになります。
今回改正の対象となる項目は多岐にわたりますが,その特色の1つとして,残された配偶者の保護を厚くすることがあり,たとえば,以下のような改正がなされます。

①配偶者の居住権の保護
今回の改正により,「配偶者居住権」という制度が新たに設けられます。

「配偶者居住権」とは,簡単にいうと,亡くなった方の配偶者が,これまで住んでいた家に住み続けることができる権利,ということになります。
配偶者が,遺産分割協議や遺言などにより「配偶者居住権」を取得すれば,
仮に自宅の所有権は他の相続人が取得しても,配偶者は亡くなるまで自宅に無償で住み続けることができるようになります。

 たとえば,相続人が妻と子どもの2人で,遺産としては自宅2000万円と預金1000万円がある場合,
妻と子どもの法定相続分はそれぞれ2分の1ずつとなりますので,妻と子どもそれぞれの取り分は1500万円ずつ,ということになります。
これまでの制度では,この場合に,妻が自宅を取得しようとすると,原則として,
取り分1500万円と自宅2000万円の差額である500万円を,妻が子どもに支払う必要が出てきます
(子どもが「いらない」と言った場合は別ですが)。
しかし,妻に差額500万円を支払うだけのお金が無いような場合や,今後の生活のためにある程度お金を残しておく必要があるような場合には,
自宅の取得をあきらめて売却せざるを得なくなるなど,自宅に住み続けることをあきらめざるを得ないという場合もありえました。

今回,「配偶者居住権」が新設されることにより,たとえば,子どもが建物の所有権を取得することしつつ,妻は建物の配偶者居住権を取得することにより,
妻は亡くなるまで建物に居住し続け,かつ,場合によっては預金の一部を取得するということが可能になります。

また,配偶者居住権は遺言でも設定できるので,たとえば,遺言書で,自宅の所有権は子どもに相続させるとともに,妻には配偶者居住権を設定して,
妻が亡くなるまで建物に居住できるようにしておくことも可能になります。
そのようにすれば,子どもへの自宅不動産の財産承継と妻の生活基盤の確保を両立させることも可能になります。

②結婚期間が長期間の夫婦間の住居の贈与の特例
結婚期間が20年以上の夫婦間において,自宅の贈与や遺贈がなされた場合,
原則として,その自宅は遺産分割の際に計算の対象から外され,自宅の贈与等を受けた配偶者は,
それとは別に,法定相続分に従った遺産を取得することができるようになります。

これまでも,贈与した被相続人が,「遺産分割の計算に入れなくてよい」という意思表示をしていた場合(「持ち戻し免除の意思表示」といいます)には,
遺産分割の計算から外すことも可能でしたが,そのような意思表示がない場合には,贈与等を受けた自宅はいわば遺産を「先貰い」したものとして,
遺産分割の計算に加えることとなり(これを「特別受益」といいます),その結果,自宅の贈与等を受けた配偶者が,他の遺産を取得する取り分が減ってしまいました。

今回の改正により,配偶者は,自宅の所有権を取得しつつ,他の遺産も取得できる可能性が高くなることとなり,配偶者の生活基盤の確保や生活保障を厚くする改正といえます。

これ以外にも,相続人以外の親族が療養看護などにより被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献をした場合に,相続人に対して,貢献の程度に応じた金銭を請求できるようになること,
自筆証書遺言(自分で作成する遺言書。これまでは前文自筆で書かないと無効でした)に添付する財産目録などについてはワープロで作成することも認められること等,改正項目は多岐にわたります。

当事務所では,今後,改正相続法についてのセミナーも予定しておりますので,関心のある方は是非ご参加ください!


(弁護士 小向俊和)

この記事はメールマガジン2018年4月号で配信した記事と同一の内容です。

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